【昭島市】文化財を火災から守る訓練。「文化財防火デー」に伴う消防演習が啓明学園北泉寮前で行われました。
毎年1月26日は、「文化財防火デー」です。2025年1月24日(金)に昭島消防署による文化財防火デーに伴う消防演習が行われました。
消防演習が行われたのは、昭島市拝島町にある啓明学園。啓明学園は、1940年に創立した歴史ある学校です。
啓明学園の敷地内には、「啓明学園北泉寮」という東京都指定有形文化財(建造物)に指定されている建物があります。
啓明学園北泉寮とは
大正12年(1923年)の関東大震災の際、洋館は倒壊しましたが、ほとんど被害を受けなかった和館は三井八郎右衛門が、震災後、鍋島侯爵から買受け、昭和2年(1927年)三井家別荘として現在の啓明学園構内に移築しましたが、その際建物の大幅な増改築がされたようです。北泉寮の名称は、北は三井北家(三井高維)の北を、泉は住友家(英子夫人の母方の実家)の屋号泉屋に由来しています。
北泉寮は造形的には江戸時代の大名屋敷の伝統を継承し、玄関部分の格式的な構え、主体部分の1階和風客室、2階御居間・次の間、奥様居間、御寝室などの座敷飾りなどに書院造の流れが認められます。また、1階洋風客室・次の間・御食堂には近代洋風のデザインが加味された折衷様式となっています。この建物は平成22年3月23日、東京都指定有形文化財に指定されました。
(啓明学園公式サイトより)
貴重な文化財を守るために、1月26日の「文化財防火デー」に合わせ今回、啓明学園北泉寮前で消防演習が行われました。演習は一般公開されず、啓明学園の生徒の皆さんのみに公開され、筆者は、取材で参加させていただきました。
啓明学園北泉寮の前にある芝生から火が上がった想定で、消防演習が行われます。
まず、煙が見られたため消火器で初期消火を行います。
しかし、火の勢いが収まりません。(という想定です)
続いて、消火栓を用いて消火を行います。画像で見ても分かる通り、消火器と比べ勢いがありますね!
ちなみに、消火栓は建物内にあるものを用いています。消火栓は消防隊員以外にも、火災を発見した一般の方でも使用することができ、最近の消火栓は、一人で操作できるものが増えてきています。いざという時に使用できるよう、東京消防庁公式サイトにて使用の仕方を確認してみてくださいね。
消火器と消火栓を用いて火の勢いは収まってきたものの、消火できなかった。そんな時は消防車の出番です。
消防隊員の方が長いホースを引っ張ってきました。
火元に向けて放水! 消火栓とは比べ物にならないほど水の勢いが強いです!
子供たちは興味津々に消火活動を見守っています。
放水を見た子供たちは大喜び。「きゃーーーっ」という大きな声が聞こえてきました。
消防演習を見学し、感銘を受けました。今後私たちも火災にならないために注意を払って万が一の場合には今日のように皆様の力を借りて、大事な文化財を守っていただければと思います。
最後に消防隊員の皆さんが敬礼し、消防演習が終了しました。
啓明学園の幼稚園に通われている娘さんの付き添いで見学されたお母さんと娘さんに感想を聞いてみました。2歳の娘さんは、放水が始まると「おおーっ」と、あまりの迫力に驚いたそうです。子供の頃から消防や防火、防災に触れることによって、火の危険性や災害の怖さを学ぶことができる貴重な機会でしたね。
今回、啓明学園北泉寮に放水をしてしまうと、文化財の中へ水が入ってしまうので、芝生からの延焼を防ぐための放水訓練となりました。火は生きていく上で必要不可欠な存在でありますが、一歩使い方を間違えると大切な命・歴史を奪ってしまいます。今一度、火の取り扱いに十分注意し、正しく安全に使用しましょう。また、万が一火災に遭遇してしまった時も、自分の命を守るための行動がとれるよう、町の防災訓練に積極的に参加してくださいね。
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