【昭島市】ありがとう、そしてさようなら。最後の撮影会開催。解体前の「フォレスト・イン昭和館」に訪れた思い出の時間
前回の記事でお知らせした「フォレスト・イン昭和館」で最後の撮影会が、2025年6月28日(土)に開催されました。
フォレスト・イン昭和館は、1月31日(金)に約26年の歴史に幕を下ろし、7月より建物の解体工事が始まります。
約26年にわたり愛され続けた「フォレスト・イン昭和館」。2025年1月31日(金)に静かにその歴史に幕を下ろしたこの場所で、最後の撮影会が6月28日(土)、1日限定・事前申込制で開催されました。
この特別なイベントは、昭島青年会議所が「建物の記憶を未来に継承する」ことを目的に企画したもの。当日は、かつての利用者や結婚式を挙げたご家族、関係者など、多くの人々が思い出を胸に来場されていました。
ロビーに灯る最後の賑わい
エントランスをくぐると、かつて宿泊や食事で訪れた人々に親しまれたメインロビーがお出迎え。
閉館から5か月ぶりに、再び笑顔と会話が戻ってきた光景に、胸が熱くなります。
日本料理「昭和の森 車屋」へ
ロビー右奥に佇むのは、日本料理「昭和の森 車屋」。数々の祝宴を彩ってきたこの空間について、関係者の方によると「残しておきたい建物」との声もあるそう。ただし、今後の具体的な保存方針は未定とのこと。
池のほとりに設けられた椅子に、静かに腰を下ろす来場者の姿がありました。何も言わず、ただ水面を見つめるその背中からは、この場所への深い想いが伝わってきます。
かつての賑わいや大切な記憶が、風に乗って静かに心をよぎっていたのかもしれません。
懐かしい風景とともに、思い出をそっと胸にしまう時間が、そこには流れていました。
池は、ずっと眺めていたいほど美しい光景です。この景色も見納めとなってしまいました。
池に泳ぐ鯉たちは…
車屋のすぐそば、美しく整えられた庭園の池では、鯉が元気に泳ぐ姿が見られました。
「この鯉たちはどうなるの?」と気になる声もありましたが、ご安心を。関係者の方のお話では、すでに引受先が決まっているとのことでした。
日本料理 車屋の看板。変わらぬ佇まいに、当時の記憶がよみがえりますね。
車屋を後にして、エレベーターで10階の「ラウンジ ダコタ」へ向かいます。
10階「ラウンジ ダコタ」からの眺め
続いてエレベーターで向かったのは、10階にあるラウンジ ダコタ。2024年2月1日(木)より休業し、営業再開を待たずに閉店しました。昭島市の豊かな自然を一望できるこの眺め。カウンター越しに交わされた会話と、美味しいカクテルやウィスキー。
そのひとつひとつが記憶に残り、今も忘れられないという方も多いのではないでしょうか。
営業していた頃は、夜だけの営業だったため、昼間の明るいダコタを見るのは、どこか不思議な感じ。
今まで多くの方々が、お酒と会話を楽しんできた空間でした。
夜を彩ったラウンジ ダコタのカウンター。グラスを傾けながら語り合った思い出が、今もここに残っているかのようです。
窓の向こうには、昭島市の広大な自然が静かに広がっています。ここから眺める夜景は、とりわけ美しく、訪れるたびに心を癒してくれましたよね。
ダコタの横にある結婚式場「ファルコネスト」。
思い出が詰まった館内
館内1階へ戻り、懐かしいスポットを散策。「中国料理 花林」は立ち入り不可
「レストラン セントロ」は、外観のみ見ることができました。
洋風のインテリアが印象的。
2階の宴会会場に繋がる階段とエスカレーター。
来場者の皆さんは、思い出を語り合いながら写真撮影されていましたよ。
宴会会場に繋がる階段で、写真を撮らさせていただきました。フォレストイン・昭和館の宴会場で働いていた従業員の皆さんです。
フォレスト・イン昭和館で結婚式を挙げられた川島さんご家族を撮影させていただきました。
思い出の場所は、館内のこの階段。ウエディングドレス姿で撮影されたという当時の写真を、スマートフォンで見せてくださいました。画面越しに映る笑顔とドレスの美しさに、思わず「素敵ですね」と声がこぼれました。
庭園の現在と、周囲の自然
閉館後、手入れが入っていないためか、庭園の草は伸び放題。
懐かしいバーベキューの記憶がよみがえります。
この小道、森の中にいるようでした。
気になるのは、周囲の自然環境。関係者によると、隣接する昭島・昭和の森 武藤順九彫刻園や周囲の自然(一部を除く)は「そのまま残される」予定だそうです。
チャペルに集まる、人生の節目を祝った人々
「チャペル」では、土日祝を中心に多くの方が結婚式を挙げられてきました。
この撮影会でも、かつてこの場所で式を挙げたご夫婦やご家族が多く訪れ、当時の記憶を振り返っていました。
フォレスト・イン昭和館で結婚式を挙げられた川島さんご夫婦にもお会いしました。
おふたりの誓いの場となったのは、緑に囲まれたガーデンチャペル。
「ここで結婚式を挙げられて、本当によかった」と、微笑みながら当時のことを語ってくださいました。閉館が決まり、この場所をもう一度見られるのは貴重な機会だったと、お二人の瞳には懐かしさと感謝の想いがにじんでいました。
カメラを持参し、フォレスト・イン昭和館最後の姿を丁寧に収めていた沼田さんを撮影させていただきました。
最後に、やはり気になるのはフォレスト・イン昭和館の跡地がどうなるのかということ。関係者の方によると、跡地には物流センターが整備されるほか、レストランやカフェ、コンビニなども併設予定とのこと。地域の方々が気軽に立ち寄れる、新たな憩いの場としての活用が計画されているそうです。
昭和館が紡いできた人と人とのつながりが、形を変えてまたこの場所に息づく日がくるかもしれませんね。
宿泊や食事、宴会、結婚式など様々な用途で愛され続け、多くの思い出が詰まったフォレスト・イン昭和館。この日をもって、見納めとなってしまいました。しかし、フォレスト・イン昭和館での数多くの思い出は、一生涯皆さんの記憶に残り続けます。記憶と共に、写真で思い出に浸りたい方は、この記事をアルバムとしてぜひ、活用してくださいね。
フォレストイン・昭和館(2025年1月31日(金)閉館)はこちらです↓